秋山園・品種茶講座③

第3回…山の息吹

静岡県で選抜された早生品種です。樹勢は強く、生育は旺盛です。ただ欠点として、黄色系のお茶になってしまうことですが…


そこで、黒の寒冷紗を使っての、長期被覆をすれば、驚くほどの、素晴らしいエメラルドグリーンの芽に出会うことができます。

私は、山の息吹は、品種茶としての評価は、下に見ておりましたが、偶然2週間ほどの被覆をしたところ、今までに見たことのない素晴らしい新芽を発見し、このやり方ならばものになると確信しました。

急遽、増殖体制にはいり、来年からは、本格的単品製造に入ります。手摘みとしては、ほんの少し露地ものを栽培しておりましたが、品質に疑問を抱いており、増産には、踏み込めませんでした。

いわゆる、被せ(冠せ)茶としてのノウハウを掴んでからは、使える、売れるお茶としての、筆頭になりました。

内容品質的には、上品なまろやかさと、早生系のお茶としては、極上の旨味があります。ただし、被せ栽培の下においてであります。

栽培難度は、難度Cであります。肥料は、多肥にしても十分いけます。肥料の吸収効率は、かなり良いと思われます。また、二番茶も、被せをして、品質向上を目指すのが良いと思われます。

製品の品質分析は、意外なほどの好成績を出します。被せた場合には、かなりのハイスコアを示し、同時期の茶としては、トップクラスの数値です。内質的には、クセもなく、苦味、渋味も少なく、穏やかな味ともいえるでしょう。

芽重型の構成になりやすいので、芽数型への誘導が必要でしょう。病害虫は、特に問題ないが、芽の伸長が、だらだら続くので注意が必要です。つまり、観察は丁寧にしましょう。

ワンポイントアドバイス…「やぶきた」の響きと「山の息吹」の響き、音感的には、山の息吹に軍配をあげます。茶業界人は、やぶきたが一番と思っていますが、一般消費者の、ネーミングから選ぶ商品としては、「山の息吹」が一枚上手か?と思われます。

製造に関して…無被覆露地の時は、黄色の色を何とかしようと気にしながらの製造でしたが、被せるようになってからは、特に問題はありません。